中学受験ノウハウ

【2025年度 首都圏】中学受験の公開模試一覧!5年・6年生向けおすすめ模試を解説

2025.05.30

【2025年度 首都圏】中学受験の公開模試一覧!5年・6年生向けおすすめ模試を解説

中学受験において公開模試は、お子さんの志望校合格への道筋を示す羅針盤のような存在です。

とはいえ、
「模試の種類が多くて、どれを受ければいいか分からない」
「わが子に合ったレベルの模試はどれかわかりづらい」
といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

この記事で小学校5年生・6年生向けにおすすめの公開模試を厳選し、それぞれの特徴や活用方法を解説します。

この記事を書いた人

福永理乃

福永理乃

ライター

受験塾にて中学・高校・大学受験の講師を務める。教育系の書籍出版・編集職を経て現在はwebコンテンツ制作と記事執筆を手がける。 高等学校教諭一種免許(外国語)、FP技能士取得。

※本記事はツナガル中学受験と提携する企業のPR情報を含みます。 広告収益がどの商品・サービスを掲載するか、どこに掲載するかに影響を与える可能性はありますが、 記事の内容や商品・サービスの評価は独自に行なっています。

目次

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受けるべきはどれ?首都圏4大模試の特徴

首都圏の主要な4つの公開模試は以下のとおりです。受験者層や問題のレベルに違いがあります

首都圏の4大模試

首都圏模試日能研四谷大塚SAPIX(サピックス)
受験者層私立の中堅校や公立一貫校受験者私立の中堅校から難関校受験者私立の下位校から最難関校受験者まで幅広い私立の難関・最難関校受験者が多い
問題レベル基礎〜標準レベル基礎〜標準レベル基礎〜ハイレベルハイレベル
詳細詳細を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る

それぞれの模試の内容を見てみましょう。1つの塾でも種類がたくさんあります。

模試主催者6年生5年生
首都圏模試センター・中学受験 合判模試
・中学受験 適性検査型模試
・中学受験 合判模試
・中学受験 適性検査型模試
日能研・実力判定テスト(全3回)
・志望校選定テスト(全2回)
・志望校判定テスト
・合格判定テスト(全5回)
・合格力実践テスト(全5回)
・合格力完成テスト
・ファイナル256(全3回)
・実力判定テスト(全11回)
・PRE合格判定テスト
四谷大塚・合不合判定テスト
・学校別判定テスト
・公立中高一貫校対策実力判定テスト
・公開組分けテスト
・月例テスト
・公立中高一貫校対策月例テスト
・合不合判定テスト
・公開組分けテスト
・月例テスト
SAPIX(サピックス)・志望校判定サピックスオープン(全2回)
・合格力判定サピックスオープン(全4回)
・学校別サピックスオープン
・志望校診断サピックスオープン(全3回)

【2025年】公開模試の全日程

模試を受ける中学受験生

模試にはそれぞれ特徴があり、お子さんに合った模試を選ぶことが重要です。

代表的な4つの模試についての概要、特徴と効果的な模試の活用方法について詳しく解説していきます。

※日程がまだ公開されていないものについては前年度実績を参考に記載しているものもあります。お申込み前に必ず各塾・模試センターのウェブサイトを参照、または直接お問い合わせください。

首都圏模試

【小学校6年生の模試一覧(予定)】

塾名名称実施日受付期間※12:30開始志望校判定受験料(税込・1回あたり)受験会場備考
首都圏模試中学受験 合判模試第1回 4月13日(日)※終了3/13(木)~4/5(土)あり5,940円(2科目/4科目共通)学校会場・自宅・塾内(通塾生)から選択
第2回 7月6日(日)5/22(木)~6/28(土)
第3回 9月15日(月祝)7/31(木)~9/6(土)
第4回 10月13日(月祝)9/11(木)~10/4(土)
第5回 11月9日(日)10/9(木)~11/1(土)
第6回 12月14日(日)11/13(木)~12/6(土)
中学受験 適性検査型模試第1回 7月13日(日)6/5(木) ~7/5(土)あり5,940円(2科目/3科目共通) 学校会場・自宅・塾内(通塾生)から選択※志望校により受験する科目が異なる
第2回 9月21日(日)8/7(木)~9/13(土)
第3回 11月24日(月祝)10/16(木)~11/15(土)

【小学校5年生の模試一覧(予定)】

塾名名称実施日受付期間※12:30開始志望校判定受験料(税込・1回あたり)受験会場備考
首都圏模試中学受験 合判模試第1回 7月6日(日)5/22(木) ~6/28(土)あり5,940円学校会場・自宅・塾内(通塾生)から選択
第2回 9月15日(月祝)7/31(木)~9/6(土)
第3回 10月13日(月祝)9/11(木) ~10/4(土)
第4回 12月14日(日)11/13(木) ~12/6(土)
第5回 2026年1月12日(月祝)12/4(木)~1/3(土)
中学受験 適性検査型模試第1回 11月24日(月祝)10/16(木)~11/15(土)あり5,940円 学校会場・自宅・塾内(通塾生)から選択※志望校により受験する科目が異なる

首都圏模試の受験者層(難易度)

首都圏模試センターが主催する「首都圏模試」は、主に私立中学の中堅校・公立一貫校受験者向けとなっています。難易度は基礎から標準レベルと考えられます。

傾向として、難関校を受験する生徒の割合は他の模試と比較すると少なく、同じ学校でも偏差値は高く出やすいといえるでしょう。

一例ですが、開成中学の80%偏差値は首都圏模試2024年結果偏差値では78ですが、四谷大塚では71となっています。

ただし、偏差値の数字自体を別の模試どうしで比較することにはあまり意味はありません。その模試受験者の中での「お子さんの立ち位置」がわかるもの、ということを意識してください。

首都圏模試の受験者人数

受験生である小学校6年生の受験人数は比較的多く 、合判模試は毎回約13,000人~15,000人程度が受験します。

首都圏模試の特徴と活用方法

首都圏模試は、基礎的な部分が理解できているか確認するのには最適な模試です。また中堅校を第一志望にしているお子さんにとっては、「絶対に間違えずに得点したい(他の生徒の得点率が高い)問題」の定着具合を確認するのに役立ちます

近年は公立中高一貫校を第一志望とする生徒向けに、「適性検査型模試」も行われています。過去問をベースにした出題形式で、公立一貫校独自の問題傾向への対応力を磨くことができるため、公立中高一貫校を受験予定の方は四谷大塚の公立中高一貫校模試とあわせ、定期的に受験することをおすすめします。

日能研

【小学校6年生の模試一覧(予定)】

模試名称実施日受付期間
※日能研教室窓口の場合。最終受付日は申込方法により異なる
志望校判定受験料(税込・1回あたり)受験会場備考
実力判定テスト(全3回)[第1回]2/9(日)※終了1/14(火)~2/4(火)なし4科 ¥4,4002科 ¥3,300日能研各校舎・外部会場(会議室など 詳しくは要問合せ)日能研全国公開模試実施日程 
[第2回]3/2(日)※終了2/10(月)~2/25(火)
[第3回]4/6(日)※終了3/3(月)~4/1(火)
志望校選定テスト(全2回)[第1回]5/6(火・休)※終了4/7(月)~4/28(月)なし4科 ¥4,4002科 ¥3,300
[第2回]6/1(日)5/7(水)~5/27(火)※受付終了
志望校判定テスト6/29(日)6/2(月)~6/24(火)あり
合格判定テスト(全5回)[第1回]8/31(日)7/28(月)~8/26(火)あり4科 ¥6,0502科 ¥4,950日能研各校舎および首都圏で毎回10~20の私立中高や大学
[第2回]10/5(日)9/1(月)~9/30(火)
[第3回]11/2(日)10/6(月)~10/28(火)
[第4回]11/30(日)11/4(火)~11/25(火)
[第5回]12/20(土)11/17(月)~12/16(火)
合格力実践テスト(全5回)[第1回]9/7(日)7/28(月)~9/2(火)なし4科 ¥6,0502科 ¥4,950日能研各校舎・外部会場(会議室など 詳しくは要問合せ)
[第2回]9/21(日)9/8(月)~9/16(火)
[第3回]10/19(日)9/22(月)~10/14(火)
[第4回]11/16(日)10/20(月)~11/11(火)
[第5回]12/14(日)11/17(月)~12/9(火)
合格力完成テスト・ファイナル256(全3回)[第1回]12/23(火)11/10(月)~12/5(金)なし4科 ¥6,0502科 ¥4,950日能研各教室
[第2回]12/30(火)11/10(月)~12/12(金)
[第3回]2026/1/7(水)11/10(月)~12/19(金)

【小学校5年生の模試一覧(予定)】

模試名称実施日受付期間
※日能研教室窓口の場合。最終受付日は申込方法により異なる
志望校判定受験料(税込・1回あたり)受験会場備考
実力判定テスト(全11回)[第1回]2/8(土)※終了1/14(火)~2/4(火)なし4科 ¥4,4002科 ¥3,300日能研各校舎・外部会場(振替テスト実施会場などは要問合せ)日能研全国公開模試実施日程
[第2回]3/1(土)※終了2/10(月)~2/25(火)
[第3回]4/5(土)※終了3/3(月)~4/1(火)
[第4回]4/26(土)※終了4/7(月)~4/22(火)
[第5回]5/31(土)4/28(月)~5/27(火)※受付終了
[第6回]6/28(土)6/2(月)~6/24(火)
[第7回]9/6(土)7/28(月)~9/2(火)
[第8回]10/4(土)9/8(月)~9/30(火)
[第9回]11/1(土)10/6(月)~10/28(火)
[第10回]11/29(土)11/4(火)~11/25(火)
[第11回]2026/1/10(土)12/1(月)~1/6(火)
PRE合格判定テスト12/14(日)11/17(月)~12/9(火)あり4科 ¥4,4002科 ¥3,300日能研各校舎・外部会場(中高・大学会場他)

日能研模試の受験者層(難易度)

日能研が主催する公開模試は、中堅層から難関校までを志望するお子さんが多くなっています。御三家など最難関中学の合格者数はSAPIXや早稲田アカデミーと比較すると少ない傾向があります。

在籍生徒数が多いぶん、志望校や合格校の範囲も広くなっています

日能研模試の受験者人数

受験学年の小学校6年生は男女合わせて約10,000人程度が受験します。

日能研模試の特徴と活用方法

日能研の模試は、以前から問題の本質をとらえて考えさせるものが多い傾向がありました。また国語の文章題に力を入れている印象があります。

15年ほど前までは模試について「問題に癖がある」として敬遠する、外部塾に通わせる保護者の方もおられましたが、現在人気の公立中高一貫校の適性検査にも対応できる先見性があったといえるかもしれません。

「問題を正確に読み解く」「論理的に考えて答える」「公式を丸暗記するのではなく本質的な原理まで考える」ことを鍛えるため、幅広い入試への対応力をつけるには適しているといえるでしょう

四谷大塚

【小学校6年生の模試一覧(予定)】

名称実施日受付期間志望校判定受験料(税込・1回あたり)受験会場備考
合不合判定テスト4/6(日)※終了3月12日(水)あり5,280円(税込)/ 1回分(4・3・2教科とも)試験会場・申込番号一覧受付期間初日は10時から
6/29(日)6月4日(水)
9/7(日)8月13日(水)
10/5(日)9月10日(水)
11/16(日)10月22日(水)
12/7(日)11月12日(水)
学校別判定テスト9/23(火・祝)8月28日(木)あり5,280円(税込)/  1回分開成・麻布・駒東・武蔵・桜蔭・女子学院・フェリス2025年の実施要項・試験会場は準備中
11/24(月・祝)10月22日(水)灘・筑駒・栄光・聖光・豊島岡女子・渋谷幕張・慶應中等部
公立中高一貫校対策実力判定テスト9/28(日)8月 28日(木)あり受検料 5,280円(税込)/ 1回分詳細後日公表2025年の実施要項・試験会場は準備中
10/26(日)10月 2日(木)
公開組分けテスト3/9(日)※終了2月13日(木)~3月4日(火)なし4,400円(税込)/ 1回分(4・3・2教科とも)試験会場・申込番号一覧6年生は3回で終了
4/27(日)※終了4月3日(木)~4月22日(火)
6/8(日)5月15日(木)~6月3日(火)
月例テスト3/7(金)~9(日)※終了申込期間・方法ともに会場各塾に直接問い合わせ(HP申込なし)なし4,400円(税込)/ 1回分(4教科 or 2教科)一部の四谷大塚YTnet提携塾・四谷大塚NET加盟塾・四谷大塚準拠塾6年生は4回で終了各回、3日間のうち1回を選択
4/25(金)~27(日)※終了
6/6(金)~8(日)
7/11(金)~13(日)
公立中高一貫校対策月例テスト3/7(金)~9(日)※終了申込期間・方法ともに会場各塾に直接問い合わせ(HP申込なし)なし4,400円(税込)/ 1回分四谷大塚YTnet提携塾・四谷大塚NET加盟塾・四谷大塚準拠塾試験開始時間は、テスト実施塾によって異なるため要問合せ
4/25(金)~27(日)※終了
6/6(金)~8(日)
7/11(金)~13(日)

【小学校5年生の模試一覧(予定)】

名称実施日受付期間志望校判定受験料(税込・1回あたり)受験会場備考
志望校判定テスト9月21日(日)8月28日(木)あり5,280円(税込)/ 1回分(4教科 or 3教科 or 2教科)準備中受付期間初日は10時から
2026年1月12日(月祝)12月18日(木)
公開組分けテスト3/9(日)※終了2月13日(木)~3月4日(火)なし4,400円(税込)/ 1回分(4・3・2教科とも)試験会場・申込番号一覧 
4/27(日)※終了4月3日(木)~4月22日(火)
6/8(日)5月15日(木)~6月3日(火)
7月13日(日)6月19日(木)~7月8日(火)
8月31日(日)8月7日(木)~8月26日(火)
10月5日(日)9月10日(水)~9月30日(火)
11月9日(日)10月16日(木)~11月4日(火)
12月14日(日)11月20日(木)~12月9日(火)
1月25日(日)1月8日(木)~1月20日(火)
月例テスト3/7(金)~9(日)※終了申込期間・方法ともに会場各塾に直接問い合わせ(HP申込なし)なし4,400円(税込)/ 1回分(4教科 or 2教科)一部の四谷大塚YTnet提携塾・四谷大塚NET加盟塾・四谷大塚準拠塾 
4/25(金)~27(日)※終了
6/6(金)~8(日)
7/11(金)~13(日)
10月3日(金)~13日(日)
11月7日(金)~9日(日)
12月12日(金)~14日(日)
1月23日(金)~25日(日)
開成・桜蔭入試同日体験受験2月1日(土)あり1校分(1回分) 5,280円(税込)詳細はHP参照新小6対象 2025年は終了

四谷大塚模試の受験者層(難易度)

四谷大塚の模試は、約50年の歴史を持つ合否判定模試です。四谷大塚系列塾で学ぶお子さんだけでなく、最難関校にも多数合格者を出す早稲田アカデミー、提携塾や個人塾、塾に通わせていない家庭も利用することから、ある意味中学受験の指標ともいえる模試となっています。

そのため、受験者層は幅広く、中堅下位校から最難関校まで志望する受験者が競います。大学受験で言うならば河合塾模試に近い立ち位置と考えるとよいかもしれません。

四谷大塚模試の受験者人数

2024年受験者数は、四谷大塚公表ではのべ87,925名となっています。

四谷大塚模試の特徴と活用方法

特に合不合判定模試は、難易度の低い問題から最難関中学で出題されるレベルの高難易度問題まで、幅広く出題されます。非常に多くの中学受験生が利用するため、偏差値の信頼性が高いと言われています

ツナガル中学受験のロゴ画像ツナ中
編集部

四谷大塚は公開模試が他塾と比較して多く、月例テストなども受験できます。そのため、事情があって塾に通えないお子さんも四谷大塚のテキストで学び、定期的に模試を受けることで、自分の立ち位置や志望校までの距離が的確につかめるでしょう。

通信講座もあり、中学受験の選択肢を身近にしてくれるカリキュラムとなっています。

SAPIX(サピックス)

【小学校6年生の模試一覧(予定)】

名称実施日受付期間志望校判定受験料(税込・1回あたり)受験会場備考
志望校判定サピックスオープン(全2回)[第1回]4/13(日)※終了サピックス生:4月7日(月)15:00 まで一般生:4月12日(土)15:00 まであり6,600円サピックス各教室入室テストを兼ねている(入室基準に達した場合はサピックスに入室可)
[第2回]6/8(日)5/19(月)10時~※詳報は4/14(月)公表
合格力判定サピックスオープン(全4回)[第1回]9月※2025年度については日時や会場など2025年7月中旬より掲示あり6,600円(※2024年実績)中学校またはサピックス校舎から会場を選択(※2025年度の実施会場は2025年7月中旬より掲示)志望校が受験会場になっていると本番練習ができる
[第2回]10月
[第3回]11月
[第4回]12月
学校別サピックスオープン[第1回]9月※2025年度については日時や会場など2025年7月中旬より掲示あり6,600円(※2024年実績)各難関校の入試問題に似た内容が出題される志望校が受験会場になっていると本番練習ができる
[第2回]10月
[第3回]11月
[第4回]12月

【小学校5年生の模試一覧(予定)】

名称実施日※2025年度の詳しい日程は未公開受付期間志望校判定受験料(税込・1回あたり)受験会場備考
志望校診断サピックスオープン(全3回)[第1回]5月※受付終了サピックス生・一般生で異なるあり4,400円※2024年度実績サピックス各教室※2024年度実績(参考)2024年3回目
[第2回]8月
[第3回]11月

SAPIX模試の受験者層(難易度)

SAPIXは、主に難関・最難関中学を目指す受験生が多く所属しています。そのためSAPIXの模試は、難関・最難関中学受験を目指す受験生にとって非常に重要な指標となります

受験者全体のレベルが平均的に高いことから、偏差値の数字は低めに出る傾向があります。例えば私立大学付属中学の最難関の一つ、慶應義塾普通部の偏差値(Aライン80%)は、首都圏模試が73、四谷大塚が65、SAPIXの80%偏差値では58となっています。

SAPIX模試の受験者人数

年度や時期、模試によって異なります。(約6,500~7,000人程度)

SAPIX模試の特徴と活用方法

特に「学校別サピックスオープン」は、御三家など最難関中学の合格可能性を測るために、ハイレベルな問題が出題されます。

第一志望を最難関中学にしている場合は、SAPIXの公開模試はお子さんの体力やスケジュールと相談しつつ、複数回利用することを検討してみましょう。

出題傾向と合格の可能性を探ることができる「志望校別模試」

「志望校別模試」は、お子さんの志望する中学の入試問題に似た傾向の問題が出題されます。そのため通っている塾の月例テストや主催模試と別に、外部生として受験するお子さんも多いです。

特に難関校を目指す家庭は、同じ志望校を目指す中でお子さんがどの位置にいるのか把握できるため、スケジュールにうまく組み込んで積極的に活用しましょう。

四谷大塚『学校別判定テスト』

御三家、慶應など最難関レベルの中学の入試問題の傾向をふまえた模試です。第一志望中学が実施校に入っている場合は受験を検討してみましょう。

なお四谷大塚の学校別判定テストは2回になっています。より精度の高い結果を求める場合は、4回実施されるSAPIXの「学校別サピックスオープン」をメインに受験してもよいかもしれません。

四谷大塚「学校別判定テスト」開催校(2024年度実績)

  • 9月23日(祝):開成・麻布・駒東・武蔵・桜蔭・フェリス
  • 11月24日(祝):灘・筑駒・栄光・聖光・女子学院・豊島岡女子・渋谷幕張・慶應中等部

SAPIX『学校別サピックスオープン』

最難関中学を第一志望とする場合は、学校別サピックスオープンの受験は必須です。受験者のほとんどが実際にその中学を受験するため、ライバルたちの中でどの位置にいるか、実際の合格ラインが見えてきます。

また問題自体も、近年の各中学の過去問、入試傾向を分析して作成されており、翌年の入試の予想問題として利用するとよいでしょう。

SAPIX「学校別サピックスオープン」開催校(2024年度実績)

  • (男子)
    麻布・栄光学園・開成・慶應湘南藤沢・慶應中等部・慶應普通部・駒場東邦・渋谷渋谷・渋谷幕張・聖光学院・筑駒・灘・武蔵・早稲田・早稲田実業・早大学院
  • (女子)
    桜蔭・慶應湘南藤沢・慶應中等部・渋谷渋谷・渋谷幕張・女子学院・豊島岡・フェリス・雙葉・早稲田実業

無料で受験できる模試

ここからは無料で受験できる模試をご紹介します。

「いきなりお金を払って模試を受けさせるのは…」

「急に難しい模試を受けると子どものモチベーションが下がりそうで心配」

という家庭におすすめです。

駿台・浜学園

駿台・浜学園の「学力診断オープンテスト」は、基礎学力をはかる無料の模試で、年4回実施されています

このテストは駿台・浜学園への入塾レベル診断にもなっています。駿台・浜学園は関西・東海地方では伝統と実績がある大手塾のため、関西や東海地方の中学を受験する予定があり、受験校の試験傾向を知りたい場合や塾を比較検討する場合は受験することをおすすめします。

早稲田アカデミー

「日本最大の無料公開学力測定テスト」をうたう模試が、早稲田アカデミーの全国統一小学生テストです。幼稚園年長から小学校6年生まで受験できます。

無料の模試でありながら全国順位や偏差値、成績分析と講評、解答解説がもらえます。また小学校6年生は早稲田アカデミーに所属していなくても、志望校判定表や過去の小6生との比較結果も見られます。

その他、通年で複数の無料オープン模試やテストが行われています。入塾を考えていない場合でもお子さんの学力判定に、一度受けてみるのはいかがでしょうか。

全国統一小学生テスト

※リンク先は2024年の実施内容 ※2025年は現時点では詳細未定です

 

オープン模試・テスト

TOMAS

個別指導塾でありながら難関校・最難関校に多数の合格実績をもつTOMASでは、「TOMAS最難関模試」を小2から小6まで、無料で実施しています

無料の模試は通常、基礎学力を見るものが多い中、一足早く最難関レベルの問題を体感することで、お子さんに高いレベルの学びの世界を経験させる目的があります。

試験を受けた後は個別の分析面談を受けることもできます。お子さんがまだ低学年だけれど中学受験を検討している場合や、力試しをしてみたい場合は、利用してみると良いでしょう。

Z会・秀英予備校

Z会では通信教育による中学受験コースを設置しており、自宅での学習のみで難関中学への合格を可能にするカリキュラムを提供しています。ただし無料の中学受験生向け模試は行われていません。

ただしZ会と秀英予備校が共同開催する無料模試はあり、高校受験に向けた基礎学力をはかる目的で小学生公開実力テストが行われています

四谷大塚

四谷大塚では、毎年「全国統一小学生テスト」を年に2回行っています。これまでにのべ376万人以上の小学生が受験してきた実績と信頼の公開テストです。

中学受験向けの問題ではなく、小学校での内容がどれくらい定着しているかを問うテストで、中学、高校につながる基礎学力をつけることや、現在のお子さんの学力が全国でどのレベルなのかがわかります。

栄光ゼミナール

Z会などと同じ増進会ホールディングスが運営する栄光ゼミナールでは、公立中高一貫校を目指す小学生を対象に無料の模試を実施しています

新小学5年生(現小学4年生)は「公立中高一貫スタートテスト」、新小学6年生(現小学5年生)は「公立中高一貫オープン」となります(2025年は終了)。

ツナガル中学受験のロゴ画像ツナ中
編集部

公立中高一貫校では入試問題を「適性検査」と呼びます。私立中学受験問題とは異なる問題が出題されるため、公立中高一貫校に特化した対策が必要になります。実際の受検問題に準拠した問題に触れることで、公立中高一貫校の適性検査がどのようなものなのか体感できます。

適性検査は単純な知識だけでなく、文章読解力や分析力、自分の意見を書いて伝える能力がまんべんなく求められるため、入学を希望している場合はこのような無料の模試も活用し、早めの準備を行いましょう。

公開模試の賢い活用法

模試の様子

最後に公開模試の効果的な活用方法をご紹介します。

模試の上手な使い方は中学受験に限らず、高校受験でも大学受験でも基本は同じです。小学生のうちにしっかり身につけておくことで、今後の受験にも役立ちます。

通塾生は無理に外部模試を受けすぎない

通塾生は、通っている塾のカリキュラムに沿って学習を進めていることでしょう。通常、塾のカリキュラムには模試がスケジュールに組み込まれています。そのため、無理に外部の公開模試をたくさん受けると、小学生は疲れて十分な復習ができなくなり、「受けただけ」になってしまいます

公開模試を活用することで、自身の学習の進捗状況を客観的に把握することは大切です。しかし、たくさん模試を受けるだけで本番に合格できるわけではありません。

模試を受ける目的は次のとおりです。

模試を受ける目的

  • 弱点を見つけ出し補強するため
  • 継続して受けることで成績の伸びなどを確認するため

受けっぱなしではなく間違えたところを復習しなければ意味がないことを、まず保護者の方が理解し、お子さんに伝えましょう。

ただし、「通っている塾の模試では学校別模試が十分ではなく不安」などの場合は、他塾の学校別公開模試を組み合わせることはおすすめです。

また特定の科目だけが目標に達しておらず子どもが自信を失っている場合は、あえて難易度の少し低い模試を受けることで基礎を見直せます。いつもより高い得点率ならば、子どものモチベーションを高める効果も期待できます。

いずれの場合も、あくまでもお子さんの体力に無理のないようにスケジュールを組みましょう。

塾なし受験生は模試をひとつ決め継続して受ける

塾に通っていない受験生にとって、熟生でなくても受けられる公開模試は自身の学力を客観的に評価できる貴重な機会です。自宅学習だけでは把握しにくい、受験生の中での自分の立ち位置を知るために、積極的に活用していきましょう

このとき、あちこちの模試を単発で受けると、かえって実力の伸びや苦手分野がわかりづらくなります。模試は、継続して受けるものを一つ決めて、それを年単位で受け続けることで効果を発揮します。

そのため塾なしの受験生は、まず継続して受ける模試を一つ、志望校のレベルにそって決めましょう。

例えば最難関中学を受験する場合はサピックスオープンまたは四谷大塚中堅~難関中学の場合は四谷大塚または日能研、中堅中学の場合は首都圏模試(合判模試)がおすすめです。

受験直前期は弱点を見つけることに活用する

受験直前期の公開模試は、偏差値や合否判定に目が行きがちです。しかし模試を受ける目的は志望校合格のための力を鍛えること。「学力の最終確認として活用している」ことを意識しましょう

直前に受けた模試で間違えたところは、単なるミスだったのか、ずっと苦手で間違え続けているのか、時間配分を間違えたのか?結果が戻ってから原因をチェックします。

直前の模試でもどうしても解けない苦手な分野があった場合、最終的にはそれは捨ててもいいかどうか、保護者の方が塾の先生などと相談し方針を決めて、お子さんに伝えてあげてください。

全ての問題をまんべんなく解く必要はありません。着実に、過去問の合格ラインを超えて得点できれば合格できる中学がほとんどです。受験本番に向けた作戦を立てるためにも、模試を役立てましょう

公開模試を受ける際の注意点

公開模試は会場の雰囲気や他のお子さんの様子などがじかに伝わり、緊張して実力が発揮しきれないお子さんもいるようです。

模試はあくまでも模試で、本番ではありません。模試で失敗をしたら「本番で起きなくてよかった、準備をすれば安心だよ」というふうに伝えて、お子さんを安心させてあげましょう。

また、トイレの場所を確認しておくことは重要です。早めに会場に着いて、場所を確認するようにしましょう。

その他、忘れ物をしないよう、前日までにしっかり準備をしましょう。受験会場によっては上履きが必要なケースもあります。忘れてしまうと当日親子で焦ってしまい、さらにミスを誘発することになりかねません(たいていは学校のスリッパを貸してもらえますが)。

「中学受験は親子の受験」といわれます。お子さんが勉強に集中できるよう、スケジュール管理や持ち物の準備は、保護者の方が担当してあげてください。一人で準備できる、保護者が何もしなくてもよいしっかりしたお子さんもいらっしゃいますが、多くの小学校6年生には難しいことが多いです。

公開模試は、勉強したことを発揮できるかどうかの練習であると同時に、本番にいろいろなアクシデントが起きた際にどう対処するかをシミュレーションする貴重な機会です。模試で失敗しても「本番じゃなくてよかったね!本番は気をつけようね!」と親子で前向きにとらえ、軌道修正するようにしましょう。

まとめ

この記事では、中学受験の公開模試について紹介しました。

模試は近年の中学受験の傾向をふまえて、さまざまな中学受験問題に対応できるよう作成されています。模試を上手に活用することで、志望する中学への合格に一歩ずつ近づけるでしょう

模試を利用する際は、偏差値の数字に一喜一憂するのではなく、どの問題が解けなかったか確認し解きなおしを行ってください。また保護者の方は、受験層の中でお子さんがどの立ち位置にいるかを冷静に見極め、志望校までの距離をはかることに役立ててくださいね。