親子インタビュー

【中学受験体験記 親子インタビュー】駿台甲府中学校 合格のRさん

2025.08.20

中学受験体験記(駿台甲府中学校合格者インタビュー)
  • 駿台甲府中学校 合格

親子インタビュー

親子のアイコン

Rさん

通った塾/利用した学習サービス

  • 甲斐ゼミナール
  • Z会(通信教育)

中学受験することを決めたきっかけ

家族のようなスマートな人になりたかった

受験期に苦労したこと

帰国後、5年生から塾に入ったため、教科の穴を埋めるのが大変だった

※本記事は2025年7月25日におこなった取材をもとに執筆しています。

目次

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「自分もスマートになりたい」誇らしい家族の影響から決意した中学受験

編集部
Rさんが中学受験をしようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

Rさん
お母さんやおじいちゃんおばあちゃん、みんな私立校出身で頭がスマートなので、自分もそうなりたいという思いがありました。あとは、高校受験するよりも小学生のタイミングで受験した方が手っ取り早いだろうな、という考えもありましたね。

編集部
ご家族に経験者がいたんですね。では志望校はどうやって決めたのでしょうか? 

Rさん
駿台甲府中学校は中高一貫校で高校受験がないという点と、iPadとかIT系がかなりすすんでいるのがいいなって思って決めました。

Rさんのお母さん
「駿台」って名前が付くとおり、駿台予備校のグループなんです。だから塾の先生が学校にいたり、塾の教材が使えたりするのも魅力でしたね。
山梨にいながら東京レベルの教育を受けられる、という感じです。

帰国後の遅れを取り戻す奮闘!D判定からA判定へ

編集部
受験期の塾は甲斐ゼミナールとZ会(通信教育)を利用されていたそうですが、5年生から甲斐ゼミナールに入塾したのは何か理由があったのですか?

Rさん
お父さんの仕事の都合で外国にいたんですけど、帰ってきたのが小学4年生の終わりごろ。次から5年生になるというタイミングでした。
Z会をやってはいたけど外国にいたのもあって4年生の内容が分からない。このままだと中学受験がやばいと思って5年生から塾に入りました。

Rさんのお母さん
Z会は何回か入ったり出たり…最後までは続けませんでした。地元の塾の方が色々と情報を持っていたので、最終的には甲斐ゼミナール一本に絞りました。

Rさん
Z会の問題はレベルが高くてすごいなと思っていました。でも僕としては過去問の内容とちょっと違うかも?と感じる部分もあったんで、必要ないんじゃね?ってなりまして。

編集部
地域柄もありますかね。でも解いてそれに気づけるのはすごい…!
5年生からのスタートで、既に塾に通っている子たちと、学力的なギャップは感じましたか?

Rさん
ありましたね。自分だけ問題が解けなくて「やべえな」っていうのがありました。
塾には一般クラスと特進クラスっていうのがあって、親が塾に交渉してくれたおかげで特進クラスに入れたんです。
でもみんなレベルが高くて。
4年生の内容が抜けているところもあったので、必死でした。

Rさんのお母さん
塾に最初に入ったときのレベルテストで点数が出なくて、一般のクラスに入ったんです。でもそれだと4教科ではなく2教科だけのクラスになってしまうので、これでは追いつけないと思い、塾とお話をしまして。
Rが帰国子女というちょっと特殊な状況だった点や学力など、その他いろいろ考慮していただきまして、なんとか4教科やる特進クラスに入れてもらいました。
最初は点数も低かったんですけど、なんとか追いついていこうというところで、頑張っていましたね。

編集部
お母さんの判断と行動力も素晴らしいですね!
「自分だけ問題が解けない」っていう状況はかなりハードだったと思います。どうやって勉強に食らいついていったのでしょうか?

Rさん
あーなんか現実的な話になりますけど…やっぱり塾のお金を毎月親に払ってもらっていたので、ここで努力しないで落ちるのは違うなと思いました。

Rさんのお母さん
お金?お金なの(笑)

編集部
大人…!小学生ながら、親御さんのフォローやありがたみをしっかり実感していたんですね。

Rさん
いやそれに、中学受験はやっぱりやった方がいいと思っていたので、追いつかないとあとあと後悔するだろうな、と。
中学に落ちたときの自分を想像しました。中学に落ちて、友達とみんなではっちゃけて、どうせグレて高校受験も失敗しそうだなーとか。
そういう自分にはなりたくなかったので頑張りました。

Rさんのお母さん編集部
……!!!(笑)

編集部
その頑張りの成果をうかがいます!入塾当初の学力から、最終的にどれくらい伸びたのでしょうか?

Rさん
最初は志望校の判定がC判定とかD判定だったんです。これはやばいと家族みんな思って勉強して、後半になるとBとかAになって、最後はA判定でした。

編集部
すごい巻き返しですね!そのときの学習スケジュールはどのような感じでしたか?

Rさん
僕はコツコツやるのがあまり好きではないので、平日は自宅で学校の宿題や過去問をやって、土曜日に甲斐ゼミナールで5時間くらい集中して、1週間分をまとめて学習するコースに通っていました。

編集部
5時間!?ものすごい集中力ですね!

Rさん
今こうやってしゃべってて思い返してみると、改めて昔の自分のモチベすごかったんだろうなーって思います。今より全然やってる…。

Rさんのお母さん
(大きくうなずく)

編集部
ちなみに苦手な教科はありましたか?

Rさん
今もなんですけど、国語ですね。抜き出し問題とか選択肢問題で、ときどき間違えることがあります。

編集部
苦手な国語はどのように克服しましたか?

Rさん
国語は半分あきらめていました。その代わり、得意な他の教科に力を入れて、全体の平均点を上げようっていう風にしていました。

編集部
なるほど、戦略ですね。では逆に得意な教科は何だったのでしょうか?

Rさん
理科ですかね。物理とか科学とか…天体が好きでした。生物は植物以外ならまあまあできます。あとは算数とか、社会の地理分野も得意でした。
得意なところでガンガン点を取って、という感じです。

Rさんとお父さん
週末の一コマ!パパが送迎の塾通い(Rさんよりご提供)

家族みんなからのサポートが心の支え

編集部
受験期はご家族のサポートも大きかったそうですね?

Rさん
はい。みんな徹底して応援してくれました。「ここをやった方がいいよ」みたいな具体的なヒントをもらえたりしたので、すごくありがたかったし、心の支えになりました。
過去問を解いてて解説見ても「うーん」ってわかんないやつとかでもおじいちゃんが教えてくれて分かるようになったり、国語の小作文でおばあちゃんから書き方を教わったり。

Rさんのお母さん
特に、小学6年生の夏休みに、おじいちゃんが全教科の総復習を一緒にやってくれたのは大きかったよね。

編集部
全教科!?それにしてもおじいちゃんもおばあちゃんも教えられるなんてすごいですね!

Rさんのお母さん
おじいちゃんが一番頑張って教えてくれました(笑)
私もふだん働いているので、なかなか子どもの宿題をじっくり見てあげる時間が取れなかったので…私の両親(Rさんの祖父母)にサポートしてもらいました。
家族みんながみんな勉強のことばかりにならないように、私はRが少しでもリラックスできるように家庭環境を整えることを心がけていました。

編集部
役割分担がきちんとされていて素晴らしいですね。Rさん、おじいちゃんとの勉強合宿を今振り返るとどうですか?

Rさん
いやーなんか、若干厳しいところもあったんですけど、おじいちゃんには気軽に質問できるというメリットがありました。塾の先生に聞くのは、当時やっぱり勇気がいりましたから。
家族から教えてもらうっていうのが一番やりやすいし、いろいろ学ぶところがあったと思います。

編集部
勉強以外にも面接の対策もされていたんですよね?

Rさんのお母さん
はい、最後の面接練習は私と二人で徹底的にやりました。

Rさん
お母さんの経験をもとに答えを色々書いてもらって、その答えを暗記していきました。

Rさんのお母さん
本当は暗記は良くないんですけどね(笑)。

編集部
対策っていうとみなさん多かれ少なかれそんな感じになってくると思いますよ…。インタビューの受け答えがすごく上手ですし、面接は得意だったのでは?

Rさんのお母さん
塾の模擬面接では高い評価をもらえました。

編集部
そうでしょうね!
Rさんにお聞きします。ご家族からたくさんのエールを受けていた受験期ですが、逆に「これは困ったな」と感じたことはありましたか?

Rさん
自由時間が少なかったことですね。おじいちゃんおばあちゃんが家に来てくれてたんですけど、そうなるととことん勉強になります。
スマホを触っていると「そんなことやってたら受験に落ちるぞ」と厳しく言われることもありましたね。それだったら「本を読もう」とか(笑)。

Rさんのお母さん
「新聞を見よう」とか。

RさんRさんのお母さん
笑(二人で顔を見合わせて大きくうなずく)
でもおじいちゃんとの勉強があったから、今があるよね。

Rさんとおじいちゃん
特別講師!おじいちゃんとの勉強タイム(Rさんよりご提供)

自分で決めて、自分でやる」という意志を手にした今

編集部
中学受験を通して、Rさん自身はどんな成長を感じますか?

Rさん
昔は親に言われて流されることが多かったんですけど、今では「自分からやろうとする意思」みたいなものが芽生えて、自分で行動しようという気持ちが強くなりました。

編集部
お母さんから見て、Rさんはどのような点が成長したと感じますか?

Rさんのお母さん
本当に頑張っていたなと思います。特に、海外からの帰国で学年的なギャップを乗り越えて、とても努力したなと感じています。
小さい頃から怖気付かない、何にでも積極的なとても明るい子だったのですが、その良いところはそのままに、頑張る姿勢や自主性が成長した点だと思います。

編集部
最後に、これから中学受験に挑戦する後輩たちへ、先輩としてアドバイスをお願いします!

Rさん
自分のなりたい理想像だったり、ああはなりたくないなとか考えて勉強してみると、案外集中力は続きます。

Rさんのお母さん
ちょっと厳しいんじゃない?(笑)

Rさん
…(笑)。
もう一つ言うとしたら、苦手な教科があっても、その教科を克服することだけが対策法じゃありません。短所があっても、長所を伸ばし続けることは大事だと思います。

取材後記

家族みんなの温かいサポートを受けながら、あのとき思い描いた「なりたい自分」を確かにつかみ取ったRさん。

周りとの差を感じながらも前に進み続けることは、大人でも簡単なことではありません。Rさんの強い意志と地道な努力があったからこその“今”がここにあるのだと思います。

インタビュー中の言葉一つひとつに、過去の自分から今の自分へ向けたエールが込められているようで、Rさんのこれからがますます楽しみになりました!

中学受験が一般的ではない地域での塾や学校探しは、手探りなことが多く苦労が多いと思います。Rさん親子はご家族が経験者というのが大きな強みになっていますね。
Rさんのご家庭のように直接勉強を教えるのが難しい場合でも、まずはその地域に強い塾を見つけることが、成功への第一歩かもしれません。