2026年サンデーショックの影響と対策:進学塾VAMOS富永先生が解説
2025.08.04

「サンデーショック」とは、東京都や神奈川県の私立中学校入試が解禁になる2月1日と日曜日が重なり、一部のミッション系の中学校が入試日程を変更することを指します。
2026年は2月1日が日曜日にあたるサンデーショックの年であり、以下の学校が試験日を変更すると発表しています。
試験日を2/1から2/2に変更する学校
- 東京都
- 女子学院中学校
- 東洋英和女学院中学部
- 立教女学院中学校
- 玉川聖学院中等部
- 神奈川県
- 横浜共立学園中学校
サンデーショックの年は入試日程の変更に伴い、併願校の組み方をより慎重に考える必要があります。
この記事では、2026年のサンデーショックによる影響や保護者としてできる対策について、都内の進学塾VAMOSの代表・富永雄輔氏にお話を伺いました。
取材協力

株式会社VAMOS
代表 富永雄輔
株式会社VAMOS代表取締役。京都大学経済学部卒業後、東京・吉祥寺に中学受験専門塾VAMOSを設立。東京都内に複数教室を展開。入塾テストを行わない先着順スタイルながら、毎年首都圏トップクラスの難関校合格実績を誇る。中学受験に関する豊富な知識と経験から、各種セミナーやYouTube等のメディア出演も多数。主な著書に『AIに潰されない 「頭のいい子」の育て方』(幻冬舎)、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)など。
目次
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2026年サンデーショックの影響とは?
2026年のサンデーショックをどのように捉えるべきか、情報収集に余念がない保護者の方も多いことと思います。
ここでは、中学受験のプロである都内の進学塾VAMOS代表・富永雄輔氏に、この特殊な年の受験動向についてお話を伺いました。

編集部
すでにサンデーショックによって試験日を移動する学校・しない学校が発表されていますが、2026年のサンデーショックではどういったことが起こりそうでしょうか?
富永先生
個人的には、今までのサンデーショックの中で一番影響が少ないのではないかと思っています。
サンデーショックは数年周期で必ず起きるイベントです。それが「ショック」なのか「チャンス」なのかは人によって違うでしょうが、私は単なる「チェンジ」だと捉えています。
これまでのサンデーショックは「女子学院と桜蔭を受けられる」と代名詞的に言われていましたが、今の受験生の動向を見ると、保護者も子どももそんなに単純ではなくなってきたように思います。
編集部
その背景にあるものは何なのでしょうか?
富永先生
まずは志望校や教育に対する価値観、世の中が変わってきたことに伴い、受験生の動向も変わってきていることがあると思います。今年の動向によって、御三家よりも共学思考・安定志向になってきているという事実がはっきりするかもしれません。
もうひとつは、本当に良い学校が増えてきたことです。渋渋(渋谷教育学園渋谷中学校)や広尾学園のような魅力的な共学校が増えてきたことによって、従来のセオリー通りのサンデーショックとは違うセオリーが生まれてきています。
編集部
「違うセオリー」について、具体的に教えていただけますか。
富永先生
今までのサンデーショックでは、1日に桜蔭・2日に女子学院を受けていたトップ層が、1日に吉祥女子や鷗友学園を受けて滑り止めを取った感覚で、2日に女子学院に臨むということも多くなるかもしれません。
また、1日目に桜蔭を受けずに、1日渋渋組も出てくると思いますし、「1日に渋渋・2日に女子学院」で抑える子も出てくるでしょう。
■以前のサンデーショックの併願パターン
2月1日 | 2月2日 |
桜蔭 | 女子学院 |
■今回のサンデーショックで考えられる併願パターン
2月1日 | 2月2日 |
渋渋 吉祥女子 鷗友学園 | 女子学院 |
さらに、1日午後の試験実施校も増えてきたので、1日午後の結果によって、2日の受験を変える層も出てくるでしょう。
無責任な言い方かもしれませんが、本当に読めないのが2026年の受験だと思います。
編集部
一般的には、サンデーショックは女子校の上位・中堅校を中心に影響があると言われていますが。
富永先生
今回、日程を変える主な学校は、女子学院、立教女学院、東洋英和、横浜共立です。この4校の偏差値を見ると、50以上の学校が割と多いので、50以下のいわゆる中堅校よりは、ミドルレンジの学校の方が影響が大きいでしょう。
編集部
東京と神奈川という地域によってもサンデーショックの影響が異なると思いますが、神奈川県においては、今年は試験日を変えない学校の方が多いようです。
富永先生
神奈川に関しては、学校の生き残りも含めて日程を変えることが得策だと思っていない人が多いのかもしれません。 共学が人気になっている中で、安易に日にちを変えるよりは、変えずに戦うことを選んだのだろうなと思います。
また、「安易に偏差値に流されずに受験をしてほしい」という学校の希望もあると思います。
編集部
共学校や男子校にも、サンデーショックの間接的な影響が出てくるのでしょうか。
富永先生
サンデーショックはあくまで女子校の日程変更の話ですから、短期的に見ると影響はないと思います。しかし、長期的な視点で見ると、間接的な影響は大きいと考えています。
編集部
長期的な影響とは、どのようなものでしょうか?
富永先生
主に女子校で見られる 「偏差値ではなくて、学校の特色で選ぶ」という流れが、男子校の保護者にも波及し、男子校の学校選びにも変化を促すということです。
たとえば、今回はフェリス女学院や頌栄女子が受験戦略を変えてきています。フェリス女学院は、これまでサンデーショック年は試験日を2日に移動していましたが、2026年は移動せず、当日23時に合格発表を行うという変更をしました。
■フェリス女学院
2025年度 | 2026年度 |
試験日 2/1 合格発表 2/2 13時 | 試験日 2/1 合格発表 2/1 23時 |
頌栄女子も英語入試を導入するなど、入試制度に変化が見られます。
頌栄女子学院 2026年の変更点
- 英語利用入試の新設
- 面接の廃止
※試験日は例年通り(2月1日、5日)
このようなケースを見ても、学校側の受験戦略が変わってきていると感じます。女子校そのものが変わってきたというよりも、共学の人気が高まる中で、女子校の魅力を打ち出してきているのかなと思いますね。
この「学校の特色で選ぶ」という流れは、女子校や共学から始まり、長期的には男子校の保護者にも影響を与えるのではないかと思います。
【対策】サンデーショック年に保護者がすべきことは?心構えと実践アドバイス
8割の受験生が目指すべき、早期の合格確保戦略

編集部
サンデーショックの影響を踏まえて、併願校の組み方について悩むご家庭も多いと思います。サンデーショックの年ならではの併願の考え方はありますか。
富永先生
男女ともに、そしてサンデーショックに関わらずではありますが、受験生の8割を占める「ノーマル受験生」は前半で早めに合格を取って、戦略を立て直して受験をすることが重要です。1日の夜には合格が1つは欲しいところです。前半で合格を取らないと、後半になって実力をどんどん出せなくなると思います。
私は20年ほど教育業界にいますが、確実に変化してきているのは子どもたちの弱さです。今の子どもたちは、驚くほどメンタルが弱くなっています。やはりコンプライアンス全盛期で、厳しい指導に慣れていないお子さんが多数いらっしゃる。
15年前は人間教育という意味で、多少怒鳴ったりする保護者の方もいましたが、今はそういうことを望まない保護者が増え、塾の現場にも「ホワイト化」が求められています。しかし、2月の本番ではホワイト化だけでは受からない精神力が必要です。
私はよく、「今の受験は4教科と精神力の5教科で成り立っている」と話しています。昔は5教科目で差がつかなかったのに、今は差がつくようになってしまったと言えるでしょう。
編集部
本番で実力を発揮するためには、精神力も重要ということですね。
富永先生
とにかく安全策をとり、できるだけ合格を刻んでいくことを推奨します。第一志望に気持ちよく挑戦するためにも、例えば2月1日が第一志望の人は、1月に多くの学校を受けることも有効でしょう。
「メンタル面に自信のある子」は気持ちのメリハリをつけ、模試を本番のように使う

編集部
残る2割の子は、どのような受験生なのでしょうか。
富永先生
要は、持っている実力を発揮できるメンタルを持っている子です。進学塾の上位クラスの子の多くは「メンタルが強い」と思っています。
こういった子には、1回ごとの試験を本気で落ち込ませて、泣かせて、そして喜ばせて、気持ちのメリハリをちゃんとつけることが重要です。たとえ模試でもしっかり落ち込ませる。逆に良かったら、半日しっかり喜ばせるんです。
また、模試を本番のように、本番を模試のように使うことも大切です。秋以降の模試を1つ1つ、本番と同じぐらいの意気込みでやらせる。洋服も、持ち物も、寝る時間も、すべて本番をシミュレーションしてやるというのも重要です。
最後に、落ちてもいいので受験を楽しむことも大切です。
この子たちは、志望校を下げれば絶対に受かる学校があるんです。開成を受ける子は、海城を受けたら多分受かります。でも、開成に行きたいから、あえて他の学校をすべて切って開成に挑戦するわけですよね。
志望校に落ちたとしても立派な受験生です。どんな結果であれ、家族で受け止めるイベントにしてしまう。万一落ちたとしても、高校受験に向けての切り替えをしてあげるのが、すごく重要だと思います。
保護者が持つべき併願校選びの基準とマインドセット
編集部
塾側からも併願校の提案がありますが、塾とのコミュニケーションにおいて大事なことを教えてください。
富永先生
保護者側が併願校を決める基準を持っておくことが大事です。
併願校を決めるとき、偏差値で決める先生もいれば、問題の傾向で決める先生もいるし、通学距離で決める先生もいます。しかし、決め方の正解はご家庭にあるんです。
編集部
富永先生ご自身は、併願校選びの際は保護者の方にどういったお話をされていますか。
富永先生
多くのご家庭に言っているのは、試験問題の傾向と自宅からの距離です。私は中学・高校は自宅から近い方が良いと思っています。また、同じ距離でも下りか上りかで通学の大変さが違います。
例えば、吉祥寺から上り方面の電車に乗るのは、混雑が激しくて大変です。だったら、同じ距離でも下って行ける学校はどうか、という話をしています。
編集部
そういった基準がご家庭にないと、塾との会話もブレてしまいそうですね。
富永先生
そうなんです。結局、塾から提案されたときに「じゃあこれで決めようか」「ちょっと待てよ、こっちもいいんじゃない?」となる。塾は落ちるための併願案なんか出しません。当たり前ですが、塾は良い併願案を出してくれるわけで、その「良い併願案」が、ご家庭にとって良い併願案なのかはよく考えたほうがいいと思います。
編集部
サンデーショックの年の場合、志望校はいつ頃決定すればよいのでしょうか。
富永先生
今年は例年に比べ、志望校の最終決定が遅くなると思います。具体的には、例年より2ヶ月ほど遅い11月、12月頃になるでしょう。
やっぱり読めない年なので、みんなが9月、10月の模試で動向を変えてくると思うんですよね。

編集部
いろいろなご家庭を見てこられた中で、志望校に合格するご家庭に共通する併願戦略に対する考え方を教えてください。
富永先生
「いい意味で慎重な人」は受かっていますね。そしてギャンブル勝負は落ちます。また、保護者側が「大人の思考」のまま子どもに接していると、落ちる可能性が高くなります。
編集部
「大人の思考」ですか?
富永先生
はい。相手はあくまでも12歳の自分の子です。期待もしちゃいけないし、過小評価もしちゃいけないと私は思っています。
データ上では行けると思って本番に臨んでも、当日の朝お腹が痛くなるとか、満員電車で酔ってしまったとか、色々な可能性があります。
逆もしかりで、意外にタフに戦えたという事例もあります。そこはやはり、子どもが戦っているわけなので、親も振れ幅に余裕を持っておくといいでしょう。
「全敗」という最悪の振れ幅を持っておくことも1つの作戦ですし、滑り止めとしてものすごく低いところを持っておくこと、逆にチャレンジ校としてもっと高いところを持っておくことも必要だと思います。

編集部
何が起こるかわからないからこそ、備えておくことが大事ですね。
富永先生
偏差値の上下に関わらず、保護者は想定のレンジを12パターンぐらい想定しておくことは必要でしょう。サンデーショックの年であればプラス2パターンぐらい用意しておく。例年以上にパターンの数を増やしておくことが必要だと思います。
サンデーショックの年だからこそ、広い目で学校を見てみよう

編集部
最後に、2026年のサンデーショック年に受験する受験生やその保護者にアドバイスをお願いします。
富永先生
併願の幅が広くなる可能性があることは頭に入れておいていいでしょう。自分たちが調べていない学校が、突然候補になることもあります。例えば上位校でいうと、いきなり渋渋を勧められる生徒もいるかもしれないし、真ん中層でいえば吉祥女子を勧められることもあるかもしれません。
編集部
そういった学校に、実際に足を運んでみることも大事ですね。
富永先生
はい。最近は偏差値の高低にかかわらず、魅力的な学校がすごく増えています。サンデーショックという年だからこそ、見ていない学校を一度見てみると良いと思いますよ。
何回行っても気に入らない学校ってあると思うんですよ。それならその学校は受けなければいい。受験までの残された日数は決まっていますが、学校選びという意味ではもっといろんな学校を見たらいいのでは、と思います。
【最新版】2026年サンデーショックで試験を変更する学校・しない学校
ここからは、2026年に試験日を変更する学校・しない学校を改めて整理してお伝えします。
サンデーショックの年だからといって、すべてのミッション系スクールが試験日を変更するとは限りません。前回のサンデーショックである2015年には試験日を変更していたものの、2026年には日程を変更しないと発表している学校もあります。
【東京・神奈川】サンデーショックで日程を変える女子校と併願への影響
2015年に試験日を変更したミッション系の女子校は9校でした(編集部調べ)。2026年、その9校は以下のように試験日を発表しています。
試験日を2/1から2/2に変更する学校
- 東京都
- 女子学院中学校
- 東洋英和女学院中学部
- 立教女学院中学校
- 玉川聖学院中等部
- 神奈川県
- 横浜共立学園中学校
試験日を変更せず、例年通り2/1に実施する学校
- 神奈川県
- フェリス女学院中学校
- 横浜雙葉中学校
- 清泉女学院中学校
- 横浜英和中学校
※2025年7月現在。編集部調べ。
2015年のサンデーショックとは異なり、神奈川県の多くの学校は日程を変えず、例年通り2月1日(日)に試験を行うと発表しています。
一方、都内の女子校は2月2日に試験日を変更する学校が目立ちます。
2月2日は近年人気が高まり、偏差値では御三家に劣らない豊島岡女子学園中学校の試験日でもあります。例年であれば2月1日女子学院・2月2日豊島岡女子学園(1回)という併願が可能ですが、今年に限っては2月2日はいずれかの学校を選択する必要があります。
また、東洋英和女学院や立教女学院の日程変更は、偏差値が近い吉祥女子中学校や学習院女子中等科などの2月1日の倍率に影響する可能性もあります。
とくに、同じエリアに学校がある立教女学院と吉祥女子などは、お互いに受験者数や倍率を高めることになる可能性もあるでしょう。
【共学校】女子校の日程変更に伴う共学校への影響
渋渋、広尾学園、早稲田実業中等部などの共学校は、2月1日に試験があります。
これらの学校は、例年であれば女子学院との併願はできませんが、サンデーショックの年に限っては併願が可能になります。
■2026年に可能になる併願校の組み合わせ例
2月1日 | 2月2日 |
渋渋 広尾学園 早稲田実業 | 女子学院 |
渋渋は2月2日と2月5日、広尾学園は2月5日(医進サイエンスは2月2日、インターナショナルAGは2月3日)という試験日程ですが、早稲田実業中等部の試験日は2月1日のみです。
女子学院との併願者が増える可能性があることは、早稲田実業中等部を第一志望とする家庭にとってはやや悩ましい事態かもしれません。ただし、早稲田実業中等部は男子と女子それぞれに定員を設けているため、男子にはあまり影響がない可能性もあります。
また、2月2日に試験がある青山学院中等部は、例年であれば立教女学院や東洋英和女学院との併願が可能ですが、2026年に限っては併願できない点にも注意が必要です。
■例年であれば可能な併願パターン
2月1日 | 2月2日 |
立教女学院 東洋英和 | 青山学院中等部 |
■2026年の併願パターン例
2月1日 | 2月2日 |
学習院女子 頌栄女子学院 香蘭女学校 | 青山学院中等部 立教女学院 東洋英和 |
【男子校】女子校の日程変更に伴う男子校への影響
男子校はミッション系であっても、試験日を変更する習慣がほとんどありません。そのため、短期的に見ると男子校へのサンデーショックの影響はないと考えられます。
東京・神奈川の主なミッション系の男子校の2026年の試験日程は次の通りです。
2026年の男子校の試験日程一覧(一般入試)
※いずれも例年通り
- 東京都
- 聖学院中学校(2月1日・2日)
- 立教池袋中学校(2月2日・5日)
- 神奈川県
- 聖光学院中学校(2月2日・4日)
- 栄光学園中学校(2月2日)
【参考】2015年のサンデーショックでは何が起きた?
ここでは、前回のサンデーショックである2015年にはどのようなことが起こったのかを紹介します。
2015年に試験日を変更した学校は次の9校です。
2015年のサンデーショックで日程を変更した学校
- 東京都
- 女子学院中学校
- 東洋英和女学院中学部
- 立教女学院中学校
- 玉川聖学院中等部
- 神奈川県
- 横浜共立学園中学校
- フェリス女学院中学校
- 横浜雙葉中学校
- 清泉女学院中学校
- 横浜英和中学校
※編集部調べ。
2015年のサンデーショックでは、通常では日程が重なって併願できない女子御三家の女子学院・桜蔭・雙葉の併願が可能になりました。実際、女子御三家すべてが前年と翌年に比べて大幅に受験者数が上振れました。
また、東洋英和女学院と立教女学院でも同じ現象が起きています。この2校の受験者数が増加しただけでなく、偏差値が近い吉祥女子、学習院女子中等科、頌栄女子学院、鷗友学園などの2月1日試験日の受験者数も、前年と翌年に比べて増加しています。
一方、受験者数が減少したのが豊島岡女子学園です。サンデーショックによって2月2日に女子学院と豊島岡女子学園(1日目)の試験日が重なったことで、受験者数が減ったと考えられます。
逆に豊島岡女子学園の2日目の試験(2月3日)は前年翌年と比べて受験者数が増加しました。サンデーショックは数日にわたって併願戦略に影響することがわかります。
なお、2015年のサンデーショックで影響を受けたのは女子校だけではありません。共学である渋渋(2月1日)も、男子の受験者数は横ばいであるにもかかわらず、女子の受験者数は増加しました。
編集後記
富永先生へのインタビューでは、サンデーショック自体は単なる日程変更ではあるものの、近年の中学受験の価値観の変化を映し出す現象であることを感じました。
インタビューでもっとも印象に残ったのは、「戦うのはあくまで12歳の子どもである」という言葉です。
中学受験は当日に至るまで、何が起こるかわかりません。塾任せにせず、保護者が明確な併願の基準を持つこと、そしてわが子の状況に応じた柔軟な併願パターンをいくつも持っておくこと。冷静に状況を見極め、何が起こってもいいように十分に準備しておく必要性を感じました。
サンデーショックは例年と異なるイレギュラーな状況ですが、視野を広げて多くの学校に目を向けるチャンスでもあります。ご家庭に合った最適な受験戦略を立て、悔いのない中学受験に臨まれることを編集部一同願っています。